兵庫県議会議員 くりやま雅史
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議会活動一般質問(西宮市議会)2008年9月10日 一般質問内容

2008年9月10日 一般質問内容


(1)地域からのまちづくり提案について

ア にしきた街づくり協議会の活動

【口述内容】
 1点目は「地域からのまちづくり提案について」であります。
 先月8月15日に、私の地元の西宮北口駅北西地域の自治会、商店街などで構成された「にしきた街づくり協議会」から、市長宛に「まちづくり提案書」を提出させていただきました。お手元の資料のように、新聞各紙で報道をしていただきました。

 「にしきた街づくり協議会」は、昨年の7月26日に正式に発足し、“旧態依然とした北西地域をリニューアルしよう”ということで、市の多大なるご協力を得ながら、地域の多くの皆様方とともに活動を続け、1年余りの時間をかけて、「にしきた・リフレッシュプロジェクト」という提案書をまとめるまでになりました。
 西宮北口駅の北西地域以外は区画整理、再開発事業などで、震災前の姿とは大きく、素晴らしいものに変わってきています。そんな中、北西地域だけは震災前とほぼ同じ区画で残って参りました。ますます人が集まり、注目を集めるこの西宮北口地域において、「このままの区画で、北西地域も何か変わることができないか」という想いがどんどん膨れあがり、自治会や商店街が終結し、「にしきた街づくり協議会」として活動をしてまいりました。

 さて、これまでにも「街づくり協議会」という組織が市内の各地で組成され、「自分たちが住む街をどのようにしていきたいのか」を考え、活動をされてきたと思いますが、市に確認致しましたところ、これまでは「最初に市の案があって、それを地域に聞く」というスタイルが多かったと聞いております。震災後の西宮北口駅北東地区や森具地区などはまさにそうであったとのことであり、市の案に対する協議団体として「街づくり協議会」が位置づけられていたと考えられます。時には市の案に対抗し、独自の案を提出するために組成されたこともあるようです。

 しかしながら、この「にしきた街づくり協議会」は、地元からの発信が先にあって、1自治会でもなく、1商店街でもなく、西宮北口駅北西地域の約40haという広い地域におけるまちづくりを、複数の自治会などが集まって、自らの意志で「まちを変えよう、つくろう」と取り組んできた、そういうスタイルになっています。

 これまでのにしきた街づくり協議会の活動は、各自治会などの会長さんたちが集まる協議会を13回、自治会役員などの方々にも参加して頂いた作業部会を6回、県の西宮土木事務所の砂防課長さんや、ライティングデザイナー、西宮警察署長さんを招いた専門家による勉強会を3回、対象地域への街づくりニュースの発行を3回、そして全戸アンケートを実施して参りました。そして、冒頭に申し上げたように、本年8月15日に市長への提案という形で一定の締めくくりができたものであります。

 そこで質問ですが、今後の街づくりにおいては、今回のにしきた街づくり協議会と同様のケースで、「地元地域が、自分たちのまちづくりの考え方を発信する」というケースが多くなるのではないかと予想されます。前回の第5回定例市議会で「西宮市参画と協働の推進に関する条例」が制定されたところでもあります。まさに、地域からのまちづくりへの参画、そして市と共に協働するケースは、私自身はとても素晴らしいことだと認識をしておりますが、こういった活動についての市の見解をお聞きします。

イ 地域の街づくり団体への市の協力体制

 次に、この「にしきた街づくり協議会」の活動を進めるにあたっては、市行政の皆様の多大なるご支援がありました。協議会の事務局的機能や技術者としてのアドバイスなど、本当に多くのサポートをいただきました。市民団体だけではなかなかここまでできなかったと思っておりますし、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

 さて、今後各地域から「街をこうしたい!」という声があがり、地域自らが行動を起こしていくことが増えるのではないかということは先ほども申し上げましたが、その際やはり行政のご支援が不可欠ではないかと考えております。我々は今回、市にご支援いただいたことに加えて、助成金を利用した「まちづくりコンサルタントの派遣」もして頂きました。そういったことも含めて、市は、街づくり団体の活動を支援できる体制を、例えば地域核ごとに整えていくなど、その必要性が高まってきていると私は感じているのですが、市は今後についてどのようにお考えでしょうか。

ウ まちづくり提案を受けた市の対応

 次に、「まちづくり提案を受けた市の対応」であります。
 今回、まとめさせていただきました提案書は、「提案書、提案説明書、活動経緯資料」の3部にわたっていて、このようなボリュームになっております(見せる)。
 市民と市がまさに協働し進めてきた、このような「まちづくり提案」は、ハード面・ソフト面の両面の提案を含みながら、地域の将来のあるべき姿、理想の姿などを描いているわけですが、提案を受けた行政としては、行政としての別の判断、考え方もあろうかと思います。つまりは、市民と市との考え方、進める方向性のギャップが生じることもあるということです。
 
 そういった場合、互いの考え方を摺り合わせ、話合い、歩み寄りをしながら、足並みを揃えて行くものと思いますが、そうするには長い時間と情熱が不可欠でありますし、もちろん実施段階においては予算も生じてきます。
 そういった課題が現段階でも想定されるわけですが、市は今後、地域からのまちづくり提案などへの対応について、どのようなお考えをお持ちでしょうか。ご答弁願います。

エ 本件まちづくり提案の今後の進め方

 最後に、地域としての本題「本件まちづくり提案の今後の進め方」についてであります。にしきた街づくり協議会の提案は、コンセプトとして「にしきた リフレッシュプロジェクト」とし、将来の街のイメージ、つまり、まちづくり目標を3つ掲げております。
 これらをもとに、具体的な基本目標として、1つは「駅前公園の再整備」、2つ目は「津門川修景整備」、3つ目は「地域防犯・交通安全」を掲げています。これらの基本目標の中ではすでに、例えば具体的な駅前公園のイメージなども考えられていまして、ご承知のように、放置自転車対策の一環として地下式駐輪場の整備、その他イベントスペースなどを整備して欲しいとの提案をさせて頂いております。

 津門川修景については、両岸の修景整備に加えて照明灯の設置、親水性を持った階段の整備、西岸の遊歩道化などを掲げています。さらに、地域防犯については、地域の照明を改善するとともに、門灯の点灯運動を進め、地域の市民でパトロール運動を強化するなどを考えており、また交通安全対策では、11月下旬にオープンを予定されている「阪急西宮ガーデンズ」の来場者の対策も含めた、地域への流入交通の抑制策、主要交差点の安全対策、不法駐車対策などが盛り込まれています。

 このように、大変盛りだくさんとも言える多岐に亘る提案をさせて頂いておりますが、これらに対する具体的な取組み・実施について、予算額や実施完了年限など、想定できている範囲でお答えを頂きたいと思います。
 是非とも前向きに、早期に取り組んで頂けることを期待して、質問させていただきます。よろしくお願い致します。

【市長 答弁】
 1番目の地域からのまちづくり提案に関するご質問のうち、にしきた街づくり協議会の活動につきまして、私からお答えいたします。
 私は、市長就任以来、一貫して「市民とともに進めるまちづくり」を基本姿勢としておりまして、地域の皆様が、まちづくりの担い手として、自らのまちについて考えられ、この度、具体的かつ夢のあるまちづくり提案として、取りまとめていただいたことは、大変喜ばしいことと考えております。
 この歴史ある北口北西地区のリフレッシュが終了することにより、文字どおり西宮北口が阪神間の都市核として、大きくその役割を発揮するものと期待しております。
 私は、まちづくりには、まちの「しつらえ」と、まちの「営み」といった、ハードとソフトの融合が不可欠であると考えております。そのような意味から、今回の街づくり協議会からご提案いただいた、維持管理を含む地道な地域活動につきましても、是非ともすすめていただきたいと考えております。市としましても、今後ともよりよいまちづくりを目指し、支援を行ってまいりたいと考えております。
 詳細については、都市局長に答弁させます。

【都市局長 答弁】
 1番目の地域からのまちづくり提案についてのご質問のうち、ただいま市長がお答えいたしました以外のことについて、お答えいたします。
 2点目の地域の街づくり団体への市の協力体制についてでございますが、にしきた街づくり協議会と市との連携につきましては、平成18年度末までは、北口周辺という個別の地域のまちづくりを担当する部署が、当該地内で長く存続してきましたことから、地域の皆様の思いや考えを、より身近に感じ取りやすい環境にあったものと考えております。
 平成19年度からは、担当する部署が、本庁舎に移転しましたが、従前と同様に地域に極力出掛けるなど、努力しているところであります。

 そこで、お尋ねの各地域における、自主的なまちづくりに対する市の支援についてであります。各地域の皆様が、そのまちづくり活動を行っていく上で、費用面並びに技術、知識面等の支援が必要となった場合には、市や財団法人兵庫県まちづくり技術センターにおきまして、専門家の派遣やまちづくりの調査・研究等の活動に要する経費の一部を、助成する制度がございますので、この制度をご利用いただけるよう、働きかけてまいります。
 また、地域でまちづくり活動を展開する中で、市へ相談したいことが生じた場合は、その具体的内容に応じて、所管課で対応することになります。

 次に3点目のまちづくり提案を受けた市の対応についてでございますが、今回のまちづくり提案は、当協議会が市と協議を重ねながらまとめたという経緯があり、県が管理する津門川の修景整備についても、当該管理者と調整を図っています。
 したがいまして、今回の提案内容において、住民と市の考え方につきまして基本的に大きく相違する点はないと認識していますので、計画の具体化、対象地域の熟度等に照らしまして、実現可能と判断されるものから、順次実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 しかし、ご指摘のように、市民と市との考え方や進める方向性について、ギャップが生じる場合については、市としましては、まずは市民と市とがお互いの立場を尊重した上での徹底した議論を行うことが重要と考えています。その議論した結果、多少の意見の相違があったとしましても、地域からのまちづくり提案の内容が、本市のまちづくりの上位計画や関係法令等に抵触せず、補助事業の採択基準に整合し、費用対効果、維持管理面に問題なく、他の地域と著しくバランスを欠くようなものでない限り、基本的には地域からのご意向を尊重し、市民が主体となったまちづくりが実現できることが望ましいと考えております。

 次に4点目の本件まちづくり提案の今後の進め方についてでございますが、まちづくり提案の骨子は、「駅前公園整備」、「津門川修景整備」、「地域防犯・交通安全」の3本柱からなっており、「駅前公園整備」につきましては、公園整備と地下式駐輪場の設置、一方通行規制等、「津門川修景整備」につきましては、津門川両岸の高欄の修景・照明灯の整備、親水階段の整備、西側道路の遊歩道化等、「地域防犯・交通安全」につきましては、道路照明灯追加整備、主要交差点の安全対策等と、まちづくり全般、多岐にわたる提案をいただいております。
 本提案にかかる具体的な取組み、実施に関しまして、事業の財政的な措置は、まちづくり交付金の対象事業として、既に国、県との協議を進めており、調査設計業務の一部は、今年度から実施することとしております。
 工事の実施については、個別に技術面、予算面など実現に向けて整理すべき課題もありますが、来年度から駅前公園、地下駐輪場整備等に着手し、3ヵ年を目標に整備完了していきたいと考えています。
 阪急西宮ガーデンズに起因する地域への流入交通の抑制等につきましては、地域で自動車等を利用される方にとっても利便性が損なわれる面もございますので、地域の皆様の一層のご理解が必要であり、その他のご提案項目におきましても、地域で今後、検討を深められ、対象地域の熟度を高めていただくことが必要な事業もございます。このような取組みを継続していただき、今後も引き続き、活発な活動をお願いするところでございます。

(2)西宮の農業について

【口述内容】
 農業の問題は、これまで多くの議員さんが取り組んでこられ、色々とご提案、ご指摘をされてきました。今回、私は農業についてはまだまだ見識不足なのですが、私なりの考えで精一杯質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 日本の食料問題がますます深刻化する中、国産農産物の消費拡大等を通じて、食料自給率の向上を図り、国民が安心して暮らせる社会を実現していく取組みが全国各地で始まっています。「生産」、「流通」、「消費」のそれぞれの現場で、問題意識を認識・共有し、消費者、企業、地方公共団体など、関係者が一体となって国産農産物の消費拡大を具体的に推し進めることが重要な課題となっています。

 そんな中、これまで厳密に比較することが難しいため、避けられていた都道府県別のカロリーベース及び生産額ベースの自給率の公表が、2006年から過去に遡って農林水産省により行われることとなり、食料・農業・農村白書にも掲載されることとなりました。資料をご覧いただければと思います。
 ご承知のように、日本全体の食糧自給率は39%と公表されていますが、みなさん、本市を含む兵庫県の食料自給率は、資料に記載のとおり16%なんです。全国平均よりも低い数値となっています。

 平成18年度の都道府県別カロリーベースの食料自給率を見ていきますと、北海道が195%でもっとも高く、第2位は米どころの秋田で174%、第3位は同じく東北山形の132%となっています。100%を超えているのは、さらに東北の青森、岩手を加えて、5道県のみであります。逆にもっとも自給率が低いのは人口密度の高い東京の1%で、続いて大阪の2%、神奈川の3%となっています。兵庫県の16%は低い方から数えて8番目の数値となっています。

 こういった状況を踏まえて、農林水産省では都道府県別食料自給率の向上に向けて取組みを始めており、平成20年3月時点で18県において食料自給率の「目標」が設定され、その目標に向けた取組みが行われています。食料自給率向上に向けた積極的な取組みを推進する上で「目標を設定すること」は重要なツールであると思います。
 兵庫県の食糧自給率は16%であって、一方西宮市は計算すればどのような数値になるのかわかりませんが、国の食料・農業・農村基本計画の中でも「地方公共団体が食料自給率向上に向けて取り組むべき」として、地域の食料自給率や地産地消の取組の目標を設定し、国民の身近な問題として考える契機を提供するべきとしています。

ア 野菜のブランド化

 そこで私は、数値はわかりませんが、西宮市の食糧自給率を向上させ、地産地消を進めていくには、西宮の農産物を広くアピールし、評価して貰い、地域の方々はもちろん、全国各地からも欲しいと求められるような「農産物のブランド化」が必要ではないかと考えました。私はその中でも県下第一位の出荷量を誇る「ねぎ」や、「ほうれん草」、「春菊」などを含めた県下第7位の生産額を誇る軟弱野菜を、いかにブランド化させるかを考えなければいけないと考えています。

 西宮市農業を維持・発展させていくためには、西宮市農業振興計画で様々な課題が掲げられています。例えば、ご承知のように後継者が確保できずに農地面積が減少し、遊休地化していくこと、当然のことながら農家の後継者や農業就業人口も減少していることなどです。
 これらを解消する最初の契機となるのが、「農産物のブランド化」だと思うのです。「自分たちの作る農産物が世の中で評価されている」という、そういう実績が出来てくることで、農家の方々の自信と誇りにつながると思いますし、注目が集まれば集まるほど「評価される農産物を作ってみたい」と、西宮市内で農業を始める方が増えるかも知れません。農産物のブランド化は、後継者の問題、農地減少の問題を解消できる可能性を秘めていると思うのです。

 西宮市農業振興計画では、市場において高い評価を得ている軟弱野菜の競争力を強化するためにブランド化を推進していくと既に書いてあります。「ひょうご食品認証制度」や「ひょうご安心ブランド農産物」、などにもとづく認証農産物の普及・拡大を目指すとされていて、同時に「西宮産」としての統一ブランドも推進し、その手段として西宮市独自の認証制度も検討するに値するとしています。
 農林水産省では、来月10月から、食料自給率向上に向けた国民運動を推進することになっており、その中で実施する事項には、具体的な購買活性化を支援する、認証マーク等の仕組みの開発と普及を図るようにしていますので、まさに方向性は同じだと思います。
 まず、お尋ねしますが、これらの認証制度についての推進、検討状況は現在どのようになっているのか。お答えください。

 さて、野菜のブランド化については、全国に様々な例があります。よく知られているのが「京野菜」ではないでしょうか。九条ネギ、賀茂なす、堀川ごぼう、万願寺とうがらしなどであります。これらのブランド京野菜は、京都の長い歴史と伝統の中における食文化を支えてきた京都府内の農産物の中から、特に優れた品質が保証され、一定の生産量があって市場流通が可能なもので、京都府の外郭団体が認証したものであります。1989年の平成元年から始められており、市場や消費者に強くアピールするために、行政、農業関係団体、流通業界が一体となって始められ、今では全国的にその名が知れ渡っています。

 近年のスローフードブームの中で、今ご紹介した京野菜をはじめ、各地の「伝統野菜」が息を吹き返し始めており、全国的に農産物のブランド化の動きが強まってきています。京野菜の他、加賀野菜、なると金時、博多万能ネギなどの、ブランド野菜が全国各地に誕生しています。

 農産物のブランド化は、今や商品のイメージアップだけでなく、食の安全・安心、知的財産保護などを含めた地域活性化戦略として展開・期待されつつあります。伝統野菜や地域の野菜をブランド化することは、その地域の“食”、つまりは農家を守っていくことにもなり、そして地産地消にも繋がっていきます。

 これらを踏まえて、今後の西宮市の軟弱野菜などのブランド化について、どのように取り組んでいくべきか、西宮産の軟弱野菜のイメージアップができるような野菜のネーミング、売り出し方、全国への仕掛けなど、どういう戦略を持つべきか、ご答弁をお願いします。

イ 多様な流通チャネルの模索、整備

 次は「多様な流通チャネルの模索、整備」であります。
 西宮市農業振興計画には、「西宮には、他地域に見られるような、農産物の多様な流通チャネルが見られない」とあります。それに加えて、農産物流通市場の在り方が大きく変化し、大型量販店の成長に伴って、市場での取引の主要部分は競りから先物取引に移行され、このような変化が生産者にとって必ずしも有利とは言えない状況にあるとあります。
 西宮市の農業を守っていくには、農家が規格外の農産物や、小ロットの出荷が可能な市場外の多様な流通チャネルを整備することが必要であり、それが可能になれば、農産物の販売額を増やすことができるだけでなく、営農意欲も高まり、農家のみなさんがさらに生き甲斐をもつことになります。

 流通チャネルには市内外の卸売市場、農協出荷ルート、直売所、青空市、商店街、飲食店、食品加工製造業との共同などがあげられます。しかしながら、農産物を販売する側、例えばスーパーや買い手である消費者は、一定のボリュームと安定的な供給を期待しており、必ずしも個々の農家がそれに応えられる環境をつくれていないことも事実であります。ですが、先ほどの質問で取り上げたように、西宮の野菜をブランド化していくことで、その農産物の需要をさらに高め、販売側や買い手・消費者が「欲しい」と思わせることができ、個々の農家の生産物をまとめることができれば、ボリュームと安定供給は確保できるのではないかと思いますし、さらに流通ルートが拡がるのではないでしょうか。その際、例えば商店市場連盟や市内の個々の商店街、飲食店などを中心に、強い連携を構築できれば、まさに地産地消の目的も達せられると考えます。

 卸売市場の在り方なども含めて、さらなる流通ルートの開拓、整備を市主導で進めることはできないでしょうか。京野菜などはインターネット上でも購入ができます。本件についての見解をご答弁願います。

【市民局長 答弁】
 2番目の西宮の農業に関するご質問についてお答えします。
 1点目の野菜のブランド化のお尋ねですが、「ひょうご食品認証制度」につきましては、現在市内では、ほうれんそう、水菜、春菊、トマトなどの野菜を清算する2グループと、個人の農家1軒が認証を受けております。
 しかしながら、この制度は兵庫県産としての農産物を対象としたものであり、西宮産を特定したものではありません。今後西宮市独自の認証制度について、具体的な検討を行ってまいりたいと考えております。
 次に、2点目の多様な流通チャネルの模索、整備についてですが、規模の大きい販売農家は大阪の中央卸売市場に出荷され、小規模出荷の農家は市内の地方卸売市場に出荷されておられます。大阪の中央卸売市場への出荷が難しい小規模農家にとりましては、やはり市内の地方卸売市場の存在価値は大きいものがあると考えております。
 一方で、どこの市場にも出荷されていない小規模農家もありますので、卸売市場以外の流通ルートの開拓が必要であると考えております。このようなことから、現在は農家が運営する直売所の支援や拡充に取り組んでいるところですが、今後は農業関係者との連携の中で、小規模農家のグループ化などにより、安定供給のための体制づくりや、さまざまな流通ルートの開拓を検討してまいります。

(3)花火大会の復活について

【口述内容】
 3点目の質問は、「花火大会の復活について」であります。
 これまで花火大会の復活については、古いところから言うと中村議員、草加議員、一番最近ではご引退された蜂谷前議員が取り上げられてきました。今回、私からも先輩議員のお気持ちと同じ趣旨で質問をさせていただきますけれども、今回こそ何らかの前向きな答弁を期待したいと思っております。

 ご承知のように、震災前の平成6年まで、西宮市には花火大会がありました。西宮市民花火大会という名称で昭和63年から始まったこの行事は、西宮浜4丁目南岸で行なわれていました。花火は、発炎筒の煙をバックに鮮やかな7色のレーザー光線がおりなす光の矢で幕開け1,600発の花火が夏の夜空に光の花を咲かせていたそうです。

 その他にも西宮市消防局音楽隊の音楽ショーや放水ショー、また屋台の出店やのど自慢大会なども行なわれ、花火のフィナーレはスターマインとレーザー光線の競演で、絶え間なく打ち上げられる大玉の花火を眺めながら、人々は暑さを忘れ、光のショーに酔いしれたそうです。

 さて、平成19年3月市議会で蜂谷前議員から同趣旨の質問がありましたが、当時のご答弁ではこう答えておられます。
 『花火大会は、昭和63年から平成6年まで、西宮浜で、地元の関係者の方々や関係団体、関係機関の御支援、御協力をいただき、実施してまいりました。夏の風物詩として、また恒例の行事として定着し、観客も4、5万人来られるなど、市民にも親しまれておりましたが、平成7年1月の阪神・淡路大震災以後、中止しております。震災前は、西宮浜には未使用の土地が広がり、花火会場として打ち上げに必要な空間や観覧場所、駐車場など、多くの市民が見に来られるスペースも確保できましたが、震災後は、復興住宅の建設が行われ、また、産業団地としての整備も進んでまいりました。こうしたことから、場所の問題や会場へのアクセス、安全性などの課題がございますので、今後、実施方法も含めて慎重に検討してまいりたいと考えております。』
 
 これ以前の答弁では会場の問題や安全性などに加えて財政上の問題もあげられていましたが、この答弁から財政上の改題は消えております。平成19年度決算でも過去最高の黒字額約36億円を確保され、将来の見通しも明るくなってきたという発言もあることからすると、財政上の課題はクリアできるのかなと考えております。先ほどご紹介したご答弁にありますように、課題は「場所の問題や会場へのアクセス、安全性」なのかなと思います。
 
 さて、話は変わりまして、阪神間の花火大会の状況を一応ご案内しておきます。本市周辺ではご承知のように芦屋市、宝塚市、伊丹市、神戸市、川西市で開催されております。芦屋はもう30回、宝塚は90回という長い歴史があり、伊丹は28回、神戸は38回、川西は池田市と共催で60回を数えます。西宮は先ほどの答弁にありましたように、昭和63年から平成6年までの計7回だけの実施です。本市は中核市にもなり、まさに阪神間の代表的な都市でありますから、他市を凌ぐほどの花火大会を開催していても何ら不思議ではないと思います。

 また、山田市長は1期目の所信表明の際に、公約として花火大会の復活をあげておられました。残念ながら、1期目のときに55項目を上げられた公約のうち、花火大会の開催は達成や取組みをできなかった公約のうちの1つでもあります。そして2期目の公約の中には入りませんでした。

 花火は、夏の夜に繰り広げられる火の芸術です。芸術・文化の振興を掲げている本市ですから、そういった意味でも是非とも花火大会を復活して欲しいと思います。花火は、夏の暑さを忘れさせ、人々に活力と、街ににぎわいを与える催しとであり、大変楽しいイベントです。市民の方々からも「西宮にはなんで花火大会がないの?」とよく言われます。今年の夏がもう終わろうとしている今、花火大会の復活について、もう一度考えて欲しくて質問をしました。

 具体的には、会場の候補地を考えると、水辺では武庫川河川敷、西宮浜がダメなら甲子園浜、御前浜などが考えられます。交通アクセスのことを考えるならば、JRや阪神沿線の鉄道駅に近い武庫川河川敷が候補地として比較的良いのではないかと考えます。その際、尼崎市との共催も視野に入れることが必要とも思います。
 また、都市部で開催する場合は、保安距離の確保など、安全性の面で河川敷や海浜に比べて考慮と工夫が必要ですが、例えば大阪府茨木市においてはお寺の境内で開催している例もありますし、また奈良県では水田地帯で開催している例もあります。本市の場合ですと、河原町の総合運動場などが良いのではないでしょうか。
 さらに、山間部においてはPLの花火なども実施例がありますから、甲山森林公園でも検討はできるのではないかと考えます。

 以上のように、要はまず「復活開催する気持ちを持っていただくこと」が大事であり、そして開催できる場所を熟慮して選定し、予算を確保し、あるいは企業や個人からも協賛金を賜って開催経費を賄い、あとは多くの市民を巻き込みながら、安全性を確保できるよう努力することではないかなと思います。市の見解をお聞きします。

【総合企画局長 答弁】
 花火大会の復活についてお答えいたします。
 本市では、昭和63年から7回、西宮浜の南岸で地元の方々や関係団体、関係機関等のご協力により、花火大会を実施してまいりました。平成6年には4万5千人の観客を集めるほど市民に親しまれる夏の恒例行事として定着してまいりましたが、平成7年1月の阪神・淡路大震災以後、中止しております。
 当時、西宮浜には未使用の土地が多くあり、花火の打ち上げ場所や観覧用スペースの確保も可能でした。その後、復興住宅が建設され、産業団地としての整備がすすみ、湾岸線の交通問題などもあり、西宮浜での実施は困難となっており、財政状況の厳しさもあいまって、花火大会の実施にはいたっておりません。
 しかし、議院のご指摘にありますように、他市での実施状況や本市を取り巻く状況、何より市民の期待などを考えますとき、市民が日本の情緒を感じる潤いのあるイベントとして、また、市外からの来訪者の増も含めた地域の活性化とにぎわいを図るためにも、花火大会は大きな効果を持つものと考えております。
 実施にあたりましては、何よりも、花火の打ち上げ場所や観覧場所を確保できるスペース、観覧者および周辺地域の安全対策、車の規制と会場へのアクセス、地元の環境整備などの課題をクリアする必要があります。
 また、経費のすべてを市単独で負担することは困難であり、実施主体、時期、財源、市民や企業の協力と役割分担、他のイベントとの整理統合、近隣市との共催の可能性、関係団体との調整など様々な問題もございます。
 実施場所の選定を始め、これらの課題について整理、検討を進めてまいりたいと考えております。

意見・要望

(3)花火大会
 それでは、質問順序とは入れ替わりますが、花火大会から意見・要望をさせていただきます。

 ご答弁の中で、「経費のすべてを市独自で負担することは困難であり」とありましたが、どの程度を想定されておられるのでしょうか。
 実は、ご紹介した阪神間の花火大会の主催者に予算額を聞いてみました。ご紹介しますと、大きい順で「みなとこうべ海上花火大会」で、神戸市負担が2,600万円、個人の寄付や企業の協賛を含めて 総額約7,000万円、次に「いたみ花火大会」が全額伊丹市負担で2,200万円、協賛は募っていないようです。次に、「宝塚観光花火大会」は宝塚市負担が1,800万円で、個人の寄付や企業協賛を合わせて3,500万円となっており、猪名川花火大会は川西市と池田市の共催ですが、それぞれ1,450万円ずつ負担し、総額3,000万円弱となっているそうです。
 規模によって当然かかる経費は異なってくるわけですが、答弁の中にもありましたように、「市外からの来訪者の増も含めた地域の活性化とにぎわいの創出」ができるのであれば、1,500万円〜3,000万円ぐらいの負担は意味のあるものではないかと思います。
 今回は総合企画局長からご答弁をいただきましたが、にぎわいの創出という観点や、観光行政等の観点から考えると、本件は市民局マターになるのではないかとも思います。

 市民と地元企業の活力を引き出し、みんなに喜ばれる花火大会を、ぜひとも復活して欲しいと思います。市長選挙も近いこの時期ですので、市長候補となられる方々にはぜひともマニフェストで「花火大会の復活」を掲げていただきたいなあと思います。

(2)西宮の農業について
 農業についてはまだまだ勉強しなくてはならないことが多いと思いますので、大層なことは言えませんけれども、個人的な感想なんですけれども、いくら西宮が都市型だと言っても、農地がどんどん減少していくことはなんとなく淋しいんですよね。そして食料自給率の問題が国内で露呈している今、まさに自分たちが住んでいる市から何とかしなくちゃいけないという想いが沸いてきます。

 ご答弁では「西宮産野菜を特徴付けるイメージ戦略の展開を図りたい」とおっしゃっていましたけれども、でも正直「西宮でできた農作物ってすごい!」って、世の中のみなさんが思うのかなあと思うのです。要は「西宮」という街のイメージがいいのか悪いのかということなんですが、生産される野菜に「西宮」というのははどんな付加価値を付けられるのでしょうか。と考えると、「西宮産」というネーミングではなくて、例えばネギなら「宮ネギ」などと、少し高級そうなと言いますか、新しい何か価値を想像させるようなおもしろいネーミングなどが必要なんじゃないかと思うのです。「あの宮ネギを食べてみたい!」と思わせなくてはならないと思うのです。
 それには、西宮の野菜を使った、美味しい調理ができるお店、居酒屋などがあればいいんじゃないかなと思うんです。
 私は時々、西宮北口駅近くのスポーツクラブに通っているわけですが、エクササイズをしたあとって、何だか食事をとるにしても、肉とか脂っこいものを食べたいとはなんか思えないんですよね。そんなときに、「ヘルシーな料理を出す店があればいいなあ」と思うわけで、野菜中心の店があればいいなあと感じるんです。いっそのこと、そんなお店を開業しようかとまで思ったこともありました。

 話はそれましたが、西宮の野菜が注目されて、みなさんに欲しがられるようになれれば、これからの西宮の農業にも明るい展望が開けると思うのです。どうかそのあたり、何か仕掛けをしていって欲しいなと思います。

(1)まちづくり提案
 最後にまちづくり提案についてです。
 
 にしきた街づくり協議会の活動について、評価をしていただいて本当にうれしく思っております。何度も言いますが、市のご協力なくしてはできませんでしたし、地域の住民のみなさんの熱心な取り組みがこのような形になって、うれしさもひとしおであります。
 こうなると、このまちづくり提案の今後がどうなるかが気になるわけですが、まちづくり交付金を利用するなどして、今年度から調査設計業務を実施していただき、来年度から駅前公園を皮切りに3年を目標にやっていただくということで、期待は高まるばかりです。ぜひとも早期の実現に向けてよろしくお願いしたいと思います。

 また、阪急さんとお話しする機会がこれまでにも何度かあったのですが、西宮北口駅の4つの出入り口のうち、北西口だけが下りのエスカレーターがありません。高齢者の方が特にこの下りエスカレーターを待ち望んでおられます。市から阪急さんに対して要望していただきますよう、またその他のバリアフリー関係の制度を利用して、是非とも設置いただけるよう、よろしくお願い致します。

 また、にしきた街づくり協議会としても、今後も活動を継続・発展していけるようがんばりますので、ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

前兵庫県議会議員 くりやま雅史 - 議会活動/一般質問(西宮市議会)/2008年9月10日 一般質問内容

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