2013年3月8日平成25年度予算特別委員会　公安委員会

2013年3月8日平成25年度予算特別委員会　公安委員会
- １　サイバー空間における犯罪「オンラインカジノ」について
- ２　「道交法改正試案」を踏まえた悪質自転車対策について

【口述内容】
　最近のサイバー空間の現状についてですが、新聞報道にもありますように、遠隔操作型のウイルスを使った犯罪や、あるいは薬物の取引情報が氾濫するなど、様々な犯罪にサイバー空間が悪用されているなあと感じております。
　その一例として今回は「オンラインカジノ」の存在について、質問します。
　「オンラインカジノ」とはインターネット上で開帳されている賭博であります。その「オンラインカジノ」が、密かに、いや密かにとは言えないのかも知れませんが、利用者が急増しているそうです。
　日本国内における賭博行為及び常習賭博行為については刑法第185、186条で禁じられており、これに違反した場合には、同条文が適用されて、刑罰が科されることとなります。しかし、オンラインカジノについては、利用者は日本国内にいるとしても、①経営母体が、カジノを合法とされる外国に存在する、あるいは②ネット上で賭博行為が行われるといった実態が見えないという特殊性から、その利用行為の合法性については、グレーゾーンだと主張する意見もあります。
　そのような中、2006年２月、海外で開設されたインターネットの「オンラインカジノ」を利用して賭博をさせたなどとして、京都のインターネットカフェ店員と同店の客２人が賭博容疑で京都府警に現行犯逮捕されました。これは、海外のオンラインカジノを使った賭博が摘発された事例としては全国初のケースで、既に京都地裁で追徴金計１億円の判決が出ています。その後、これと同様の容疑で摘発される事例が、東京、大阪、栃木、福岡、神奈川、岡山、札幌などでも相次いでいます。ここ兵庫の神戸においても、2008年４月にマンションの１室でインターネットに接続したパソコンを使用して賭博を行ったとして、常習賭博容疑などで14人を検挙しています。
　さて、「オンラインカジノ」を利用している日本人のユーザー数は50万人以上いるとも言われています。また、ある調査によると、「オンラインカジノ」を運営するサイトは、すでに2,000種類以上あると言われ、日本国内で運営している違法オンラインカジノも多くあると言われ、暴力団の資金源になっているとの噂もあるようです。
　私としては、いわば「オンラインカジノ」を野放しにしているこのような状況を一日も早く改善し、オンラインカジノを速やかに規制するとともに、最終的には個人のパソコンから直接カジノサイトに接続している利用者自身を取り締まる必要性が出てくるのかと思います。
　そこでまず、兵庫県警として県内の「オンラインカジノ」の現状についてどのように認識しているのか、お伺いするとともに、今後どのように対応していくのかについてもあわせてご説明下さい。

【答弁：西墻生活安全部長】
　「オンラインカジノ」は、インターネットを利用して賭博を行うことができるサイトであり、合法とされる国外のサイトに容易にアクセスすることができますことから、利用者が拡大することが懸念されているところであります。
　県警察におきましては、平成18年以降、「オンラインカジノ」を利用した賭博事案を３件検挙致しておりますけれども、いずれの事案も県内の店舗内におきまして、国外のサイトにインターネット回線で接続したパソコンを設置し、お客に賭博をさせるというものでございます。
　県警察と致しましては、これらの事案は、氷山の一角でありまして、継続した取締りが必要であるというふうに認識致しております。
　「オンラインカジノ」は、暴力団の資金源になる可能性もありますので、今後とも、サイバーパトロールや一般からの情報収集によりまして、事件検挙に結びつく情報の入手に努め、「オンラインカジノ」を利用した賭博事案の取締りを推進してまいる所存でございます。

２　「道交法改正試案」を踏まえた悪質自転車対策について

【口述内容】
　自転車安全運転関係の質問は、企画県民部での質問に引き続いて、一連の質問として取り組むものです。
　先月14日、警察庁は、交通に危険を及ぼす一定の行為例えば信号無視、遮断踏切立入等ですが、反復して違反行為をする自転車の運転者に対し、危険な運転を防止するため必要があると認める時は、公安委員会の行う自転車の危険運転を防止するための講習を受けるべきと命ずることができるとする道交法改正試案を公表しました。同試案は、自転車の交通ルールを徹底し、事故を抑止するのが狙いで、講習を受講しない場合の罰金刑も検討されており、今国会での法案成立が目指されています。
　また、同試案においては、自転車の路側帯通行を道路左側に限ることにし、国土交通省によると、全国の道路約120万キロのうち、歩道のない道路、約100万キロで自転車の右側通行は禁止されることになります。
　仮に、同試案どおりの法改正が行われることとなれば、本県警察としても、その内容を踏まえた悪質自転車運転者対策に取り組んでいく必要が生じます。
　そこでまず、昨年１年間に２回以上検挙された悪質自転車運転者というのは、県内でどの程度いるのか、また、路肩左側走行も含めて自転車運転に対する取り締まり体制を強化せねばならないと考えますが、県警としての対応についてお伺いします。あわせて、平成23年10月に、警察庁から「良好な自転車交通秩序の実現のための総合対策の推進について」の指示があり、以後、様々な取組を強化されたと思いますが、それらの取組により現実に歩行者・自転車間の事故を含め、自転車の事故は抑制されているのか、県警としての実感をお聞かせください。
　また、県警を含めた兵庫県全体としての取組について確認したいのですが、自転車事故があった特定の場所の情報共有など、自転車に関する部局の企画県民部交通安全室や「歩行者・自転車分離大作戦」を進めている県土整備部などと、横断的でかつ効果的な取り組みができているのか、お聞きしたいと思います。

【答弁：森本交通部長】
　自転車利用者の交通違反につきましては、指導警告を原則としまして、歩行者や通行車両に具体的危険を生じさせたり、現場における指導警告に従わないなどの悪質、危険な違反者に対しまして検挙措置を講じておりまして、昨年は全国で２番目の654件を検挙いたしております。そのうち、昨年１年間に2回以上検挙された自転車利用者は2人でございまして、いずれも信号無視での検挙となっております。
　委員ご指摘の自転車の通行方法に関する規定の整備などの道路交通法改正試案につきましては、最終的にどのような形になるのか未だ明確でない部分がありますが、まずは、改正内容の周知を図るために、現在の自転車対策の中で、交通ボランティアの方々などのご協力を頂きながら周知を進めて参りたいと考えております。
　県警察では、平成24年４月、自転車対策を総合的に推進するために、交通部交通企画課内に「自転車総合対策室」を設置いたしまして、自転車の通行環境の整備や自転車利用者の交通違反に対する指導取締りの強化を図って参りましたほか、自転車シミュレータを活用した交通安全教室の開催、或いはスタントマンによるスケアード・ストレイト方式の交通事故再現教育を行うなどの自転車利用者のルール・マナーの周知に向けた諸対策に、県・市等の関係機関や団体と連携の上、取り組んで参りました。
　その結果、昨年の自転車の関係する交通事故発生状況につきましては、前年対比で、件数で691件、傷者数で689人、死者数で5人、それぞれ減少いたしまして、過去10年間でピークでありました平成16年と発生件数を比較しますと、1,337件、率にして14.6％減少しております。また、4年連続で増加をしておりました人対自転車の事故につきましても、昨年は169件と前年対比で25件減少しまして、これまでの取組による一定の成果が現れているのではないかと考えております。
　なお、自転車関連事故の情報共有、横の連携につきましては、自転車事故に限っているわけではありませんけれども、死亡事故、或いは重傷事故などの重大事故につきましては、道路管理者、所轄の警察署、本部員がともに現場臨場しまして、交通事故防止対策を検討する交通事故防止現地検討会などを実施いたしまして、相互に連携をしているところであります。
　県警察といたしましては、改正道路交通法への的確な対応も含めまして、引き続き、良好な自転車交通秩序の実現に向けまして、各種取組を着実に推進して参ります。